天外魔境Ⅱ

ここは遅咲きジャニヲタsanopiのきもち

両親にヲタバレした事件簿




【緊急速報】バイトから帰宅すると両親にJUMPのFCに入会したことがバレていた。



Twitterで検索をかけると周りのファンの子はみんな「やっと会員証届いた〜!」と舞っていたのに対し、あたしの元にそれは一向に届く気配がなかった。でもまあまだ入金をしてから一ヶ月も経ってなかったし気長に待つつもりだった。ツアーになんとか間に合えばラッキーだと思っていた。だからあと一ヶ月くらいは待つつもりだった。その心構えもすでにできていた。







完全に油断していた。






久しぶりにバイトが長引き、家の前に着いたのは夜の12時手前で、就寝時間が早いあたしの家庭は完全に寝静まっていておかしくない時間だった。だからあたしもだらだらと帰っていた。


「今から帰ります」と家族のLINEグループに一言入れて、既読はつくも誰からもなにも返ってこない。寝ぼけてるのだろう。そう思った。でも、まさか起きていたなんて。



眠い目をこすりながら家の前に着いて、いつものようにポスト覗き(FC会員証が自宅に舞い降りたかどうかを確かめるイベント)を開催した。しかし、案の定きてなかった。



ここからの話を書き続ければとにかく長くなってしまうので、先日の夜、焦りに焦ってこれは一大事だと手短にTwitterにぼやいた内容を晒す。(気が向いたら消すかもしれません)





まず、暗闇の中に母はいたわけだ。これは布団叩きや会員証どうこうよりも、まず暗闇の中に人が立っていて、それに気付かずに灯りを点けて、そこで初めて人間がいるということを目の当たりにしては死ぬほど驚いた。声さえ出なかった。


おそらく布団叩きを所持していた理由は特にない。あたしを脅かそうとでもしたのかな。それよりも、母がJUMPの会員証を手に持っていたことに驚愕。事態を把握しきれなかったけど、とりあえず血の気は引いた。





母はすべてを理解していた。ジャニヲタを理解しようとはしなかったけど、あたしがジャニヲタになったことはとりあえずここらで理解したはずだ。そもそも、会員証が自宅に届いた時点で理解したくなくてもしてしまったはず。捨てるなんて言われたら、そんなの待ってやめてと言う他ない。




父は大変深刻そうな顔で下を向いていた。なにを大げさな、と思いつつもとりあえず家族の前に着席した。母は怒っていた。ジャニヲタなんてみっともないと言わんばかりのため息。そんないい歳して、と言われたけど、こんないい歳してるからジャニヲタになれたのだ。やっとあたしは彼らの良さに気付ける歳になったのだ。それと共に、彼らの時代がやってきたのだ。そう信じてる。けれど、両親は食い下がらなかった。認めてもらえなかったあたしは泣いた。泣きながら熱弁した。



完全に親は引いていた。とうとう、うちの娘も終わったなと二人の表情が物語っていた。うちの娘は終わったということで、完全に諦めたのか、馬鹿馬鹿しくなったのか、とにかく彼らはなにも言わなかった。黙りこくっていた。説得できたのだろうと顔を上げると、怪訝な顔をしていた。でもあたしは説得できたと信じている。言い換えると、丸め込んだ。はたまた、これを見放されたとも言う。






両親は「ジャニヲタは結婚できない」と思っているのか、あたしに誓約書という名の言葉を渡してきた。



「せめて結婚はしてくれ。孫の顔も見たい。」




それさえ守れば、ジャニヲタ継続を果たせるというのだ。なんだ、簡単なことじゃないか。あたしは二つ返事で頷いた。




「いーの?おっけい」









これでもうなにも怖れない。毎日会員証と一緒に寝てる。ようし、羽を伸ばしてツアーへ申し込むぞ。





〜完〜